社労士(社会保険労務士)試験に挑戦しようと思ったとき、「どのくらい勉強すれば受かるのか」は誰もが気になるポイントです。仕事をしながら受験する方がほとんどの社労士試験では、限られた時間をいかに効率的に使うかが合否を分けます。
一般的に社労士試験の合格に必要な勉強時間は800〜1,000時間と言われています。しかし、この数字はあくまで目安であり、学習方法や予備知識の有無によって大きく変わります。
この記事では、社労士試験の勉強時間の目安を状況別に解説するとともに、働きながら合格するための具体的なスケジュール術をお伝えします。「どのくらい勉強すればいいのか」という疑問に、できる限り具体的にお答えします。

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社労士試験の勉強時間の目安【状況別】
勉強時間の目安は、受験者の状況によって変わります。以下に代表的なパターンを整理しました。
完全初学者の場合:800〜1,000時間
法律の学習経験がなく、社会保険や労働法の知識もゼロからスタートする場合は、800〜1,000時間の学習が必要です。1日平均2.5時間の学習を約1年間(10〜12ヶ月)継続する計算になります。
この時間には、テキストの通読、過去問演習、模擬試験、法改正対策などがすべて含まれています。
法律系資格の取得者の場合:600〜800時間
行政書士やFP(ファイナンシャルプランナー)などの資格をすでにお持ちの方は、法律の読み方や基本的な制度の理解があるため、やや短い時間で合格圏に到達できる可能性があります。
特に行政書士資格をお持ちの方は、法律用語への慣れがアドバンテージになります。
人事・労務経験者の場合:600〜700時間
企業の人事部門や社会保険の実務に携わっている方は、業務を通じて制度の概要をすでに理解しています。実務で扱う範囲はテキストの内容とかなり重なるため、学習時間を短縮できます。
ただし、実務の知識と試験の知識は必ずしも一致しない点には注意が必要です。試験では実務ではあまり触れない細かい規定も出題されます。
再受験者の場合:300〜500時間
前年度に不合格になった方は、すでに一通りの学習を終えています。弱点の補強と法改正対応に集中することで、比較的短い時間で合格レベルに達することが可能です。
勉強時間はあくまで「目安」です。ダラダラ1,000時間やるよりも、集中して700時間やるほうが効果的なケースもあります。量だけでなく「質」にもこだわりましょう。
科目別の勉強時間配分の目安
社労士試験は10科目から出題されますが、科目ごとにボリュームと難易度が異なります。以下の配分を参考に、学習計画を立ててください。
重点科目(各100〜120時間)
- 厚生年金保険法:最もボリュームが大きく、理解に時間がかかる科目です。年金制度の仕組みを根本から理解する必要があります。
- 国民年金法:厚生年金と密接に関連する科目で、両者を比較しながら学ぶのが効率的です。
- 健康保険法:給付の種類が多く、暗記量が求められます。
標準科目(各60〜80時間)
- 労働基準法:法律学習の基本となる科目で、最初に学ぶケースが多いです。
- 雇用保険法:給付の種類と要件を正確に覚える必要があります。
- 労災保険法:制度の仕組みは比較的シンプルですが、細かい数字の暗記が必要です。
軽量科目(各30〜50時間)
- 労働安全衛生法:学習範囲は限定的ですが、独特の規定が多いです。
- 労働保険徴収法:計算問題が出題されるため、演習が重要です。
対策が難しい科目(各50〜70時間)
- 一般常識(労務管理):出題範囲が不明確で最も対策しにくい科目です。労働経済の白書や統計資料も押さえる必要があります。
- 一般常識(社会保険):社会保険に関する各種法律の概要を幅広く学ぶ必要があります。

働きながら合格するための学習スケジュール例
仕事をしながら社労士試験に合格するには、計画的な学習スケジュールが不可欠です。以下に、試験の約10ヶ月前から始める場合のモデルスケジュールをご紹介します。
第1期:基礎固め期間(10月〜1月・4ヶ月間)
テキストの通読と基本的な問題演習を行う期間です。1日2〜3時間を目標に、まずは全科目の全体像を把握しましょう。この時期は「完璧に覚える」ことよりも「全体像をつかむ」ことが大切です。
学習の進め方:
- 平日は1日2時間(朝30分+夜1.5時間)
- 休日は1日4〜5時間
- 月間約80時間 × 4ヶ月 = 約320時間
第2期:実力養成期間(2月〜4月・3ヶ月間)
過去問演習を中心に、知識の定着を図る期間です。テキストを2周目、3周目と繰り返しながら、同時に過去問を解いてアウトプットの練習をします。
学習の進め方:
- 平日は1日2.5時間
- 休日は1日5〜6時間
- 月間約100時間 × 3ヶ月 = 約300時間
第3期:追い込み期間(5月〜7月・3ヶ月間)
法改正対策、横断整理、模擬試験を中心に最終仕上げを行う期間です。弱点科目の集中補強も この期間に行います。
学習の進め方:
- 平日は1日3時間
- 休日は1日6〜8時間
- 月間約120時間 × 3ヶ月 = 約360時間
第4期:直前期(8月・1ヶ月間)
試験直前の最終確認期間です。新しいことに手を出すのではなく、これまでの学習内容の総復習に徹します。模擬試験の復習、過去問の最終確認、選択式対策の仕上げが中心です。
合計:約980〜1,000時間
スケジュールはあくまで目安です。大切なのは「毎日必ず勉強する時間を確保する」こと。たとえ30分しか取れない日があっても、ゼロの日を作らないことが継続のコツです。
社労士の独学勉強法について詳しくは以下の記事で解説しています。

スキマ時間の活用法
社会人受験生にとって、スキマ時間の活用は合否を分ける重要なポイントです。以下のようなシーンで学習時間を確保しましょう。
通勤時間
電車通勤の方は、片道30分でも往復で1時間の学習時間になります。スマホアプリの問題集や音声講義を活用すれば、通勤時間が立派な勉強時間に変わります。通勤時間だけで年間200時間以上の学習が可能です。
昼休み
昼食後の15〜20分を暗記タイムに充てましょう。短い時間ですが、毎日続ければ積み上がります。選択式の空欄補充問題の練習に最適です。
朝の時間
出勤前に30分早く起きて勉強する「朝活」は、脳が冴えている時間帯を活用できるメリットがあります。朝は理解が必要な科目(年金など)の学習に向いています。
入浴時間
防水ケースに入れたスマホやタブレットで講義動画を視聴するのもおすすめです。半身浴をしながら30分のリラックス学習ができます。

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勉強時間を確保するための工夫
「時間がない」は多くの受験生が抱える悩みですが、工夫次第で学習時間は捻出できます。
テレビやSNSの時間を見直す
多くの社会人は、無意識のうちにテレビやSNSに1日1〜2時間を費やしています。この時間を学習に振り替えるだけで、大幅な時間確保が可能です。試験が終わるまでの期間限定と考えれば、我慢もしやすくなります。
家族の理解と協力を得る
家族がいる方は、受験の意思を早めに伝え、協力を仰ぎましょう。家事の分担を見直したり、休日の一部を勉強に充てることを了承してもらったりすることで、心理的な負担も軽減されます。
学習環境を整える
自宅に集中できる学習スペースを確保しましょう。図書館やカフェなど、自分が集中できる場所を複数見つけておくと、気分転換にもなります。
社労士試験の学習に関する情報は全国社会保険労務士会連合会のサイトでも参考になる情報を得られます。
睡眠時間を削って勉強するのは逆効果です。睡眠不足は記憶の定着を妨げるだけでなく、日中の仕事のパフォーマンスも低下させます。最低6時間の睡眠は確保しましょう。
勉強時間が足りないと感じたときの対処法
計画通りに進まないことは誰にでもあります。そんなときの対処法を知っておきましょう。
重要度に応じて優先順位をつける
時間が足りない場合は、すべてを完璧にしようとせず、出題頻度の高い分野に絞って学習するのが現実的です。過去問の出題頻度を参考に、頻出分野を優先しましょう。
「捨て問」を作る勇気を持つ
足切り基準さえクリアできればいいのですから、すべての論点を完璧にする必要はありません。出題頻度が低く、理解に時間がかかるマニアックな論点は思い切って「捨てる」判断も重要です。
通信講座の利用を検討する
独学で時間が足りないと感じたら、通信講座への切り替えを検討しましょう。プロが作成したカリキュラムに沿って学ぶことで、学習効率が大幅にアップします。

社労士の参考書について詳しくは以下の記事で解説しています。

社労士の勉強時間に関するQ&A
Q1. 本当に800〜1,000時間も必要ですか?
あくまで平均的な目安です。効率的な学習方法を実践すれば700時間程度で合格する方もいますし、逆に1,000時間以上かけても不合格になる方もいます。重要なのは「時間の量」だけでなく「時間の質」です。集中して取り組める環境を整え、インプットとアウトプットのバランスを意識しましょう。
Q2. 半年で合格することは可能ですか?
不可能ではありませんが、かなりハードです。半年で800時間を確保するには、1日平均4.5時間の学習が必要になります。仕事をしながらこのペースを維持するのは現実的には厳しいため、最低でも8〜10ヶ月の準備期間を確保することをおすすめします。
Q3. 1日の勉強時間はどのくらいが理想ですか?
平日2〜3時間、休日4〜6時間が理想的な目安です。1日の学習時間が1時間を切ると、知識の定着が追いつかなくなる傾向があります。逆に、長時間やりすぎると集中力が低下するため、適度な休憩を挟みながら学習しましょう。
Q4. 勉強のモチベーションを維持するコツはありますか?
合格後の自分をイメージすることが効果的です。社労士として活躍する姿や、資格手当で収入がアップする姿を具体的に思い描きましょう。また、SNSの勉強アカウントで同じ目標を持つ仲間とつながるのもモチベーション維持に役立ちます。
Q5. 勉強の順番はどうすればいいですか?
一般的には「労働基準法→労働安全衛生法→労災保険法→雇用保険法→徴収法→健康保険法→国民年金法→厚生年金保険法→一般常識」の順番が推奨されています。労働基準法は法律学習の基礎となるため最初に、一般常識は出題範囲が不明確なため最後に学ぶのが効率的です。
Q6. 過去問は何年分解けばいいですか?
最低でも過去10年分を3回以上繰り返すのが理想です。社労士試験は過去問の焼き直しや類似問題が多いため、過去問を徹底的にやり込むことが得点力アップに直結します。時間がない場合でも、最低5年分は必ず取り組みましょう。
Q7. 直前期はどのような勉強をすればいいですか?
直前期(試験1ヶ月前)は、新しい知識のインプットよりも既存知識の総復習に徹しましょう。過去問の最終確認、横断整理テキストでの知識の再整理、法改正ポイントの暗記が中心になります。直前期に新しいテキストに手を出すのはNGです。
まとめ
社労士試験の合格に必要な勉強時間は800〜1,000時間が目安ですが、大切なのは「量」だけでなく「質」と「計画性」です。
この記事のポイントを整理します。
- 完全初学者は800〜1,000時間、経験者は600〜700時間が目安
- 科目別の配分では年金科目に最も時間をかける
- 10ヶ月の学習期間を4段階に分けて計画する
- 通勤時間やスキマ時間を活用すれば年間200時間以上の上積みが可能
- 睡眠時間は削らず、「質の高い学習」を心がける
働きながらの試験勉強は決して楽ではありませんが、合格した先には社労士としてのキャリアが待っています。まずは学習スケジュールを作成し、今日から第一歩を踏み出しましょう。
試験日程やスケジュールの確認は社会保険労務士試験オフィシャルサイトでご確認ください。
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