社労士試験で多くの受験生を悩ませるのが「選択式」です。択一式は正答率が高くても、選択式で足切りに引っかかって不合格――そんなケースは珍しくありません。選択式は全8科目各5点の合計40点満点で、各科目に基準点(原則3点以上)が設定されているため、1科目でも落とすと合格は遠のきます。
この記事では、社労士試験の選択式に特化した対策法を徹底解説します。出題形式の特徴から、効果的な学習法、本番で使えるテクニックまで、合格を勝ち取るための実践的な内容をまとめました。

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選択式試験の出題形式と配点
選択式試験は、問題文中の5つの空欄に、20個の語群から正しい語句を選んで埋める形式で出題されます。試験科目は全8科目で、各科目5点ずつの合計40点満点です。
| 科目 | 配点 |
|---|---|
| 労働基準法及び労働安全衛生法 | 5点 |
| 労働者災害補償保険法 | 5点 |
| 雇用保険法 | 5点 |
| 労務管理その他の労働に関する一般常識 | 5点 |
| 社会保険に関する一般常識 | 5点 |
| 健康保険法 | 5点 |
| 厚生年金保険法 | 5点 |
| 国民年金法 | 5点 |
- 試験時間:80分
- 問題数:8問(各科目1問ずつ)
- 出題形式:5つの空欄に20個の語群から選択
- 合格基準:総得点26点以上(目安)、各科目3点以上
選択式が「怖い」と言われる理由
選択式が受験生から恐れられる最大の理由は、各科目の基準点(足切り)の存在です。たとえ総得点が高くても、1科目でも3点未満になると不合格になる可能性があります。
また、出題範囲が広く、年によっては予想外のテーマから出題されることもあります。「労一」「社一」と呼ばれる一般常識科目は特に範囲が広く、統計・白書からの出題もあるため、対策が難しいとされています。

選択式対策の5つの柱
1. 条文のキーワードを正確に暗記する
選択式の空欄には、法律の条文に登場するキーワードがそのまま出題されることが多いです。似たような用語が語群に並ぶため、あいまいな知識では正解を選べないのが特徴です。
たとえば「労働基準法」の条文で「賃金」「給料」「報酬」「手当」のどれが入るか、正確に覚えていないと選べません。条文を読む際は、キーワードの一つひとつに注意を払い、「この条文にはこの用語が使われている」と意識して暗記しましょう。
2. 目的条文と制度趣旨を押さえる
各法律の目的条文(第1条)は選択式の頻出テーマです。法律の趣旨・目的を理解しておくと、たとえ条文を丸暗記していなくても、文脈から正解を推測できるようになります。
目的条文は数が限られているため、全科目の目的条文を一覧にして繰り返し読むのが効率的です。
3. 統計・白書対策は「絞り込み」が鍵
労働経済白書、厚生労働白書、賃金構造基本統計調査など、統計・白書からの出題は一般常識科目で特に多い傾向にあります。膨大な情報をすべて暗記するのは現実的ではないため、以下のポイントに絞って対策しましょう。
- 直近の重要な数値やトレンド(完全失業率、有効求人倍率、就業者数など)
- 前年からの変化の方向性(増加・減少・横ばい)
- 予備校や参考書が「出題可能性が高い」と指摘しているテーマ
4. 過去問と予想問題を併用する
過去問の演習は頻出テーマの把握と出題パターンの理解に有効です。ただし、選択式は同じ問題が再出題されることは少ないため、過去問だけでは不十分です。予想問題集や模擬試験を活用して、初見問題への対応力も養いましょう。
5. 直前期の総仕上げを重視する
選択式対策は、試験直前の1〜2か月が勝負です。この時期には法改正情報の最終確認、統計・白書の数値の整理、弱点科目の集中対策を行いましょう。各科目の条文キーワードを総ざらいできる一問一答形式の教材も有効です。

本番で使える解答テクニック
テクニック1:先に語群を確認する
問題文を読む前に、まず20個の語群をざっと確認します。語群の中に似た用語のグループがあれば、空欄のテーマが推測でき、問題文を効率的に読み進められます。
テクニック2:確実に分かるものから埋める
5つの空欄のうち、自信のあるものから先に埋めていきます。確定した選択肢を語群から消去することで、残りの空欄の正答率が上がる効果があります。
テクニック3:文脈から推測する
条文のキーワードを覚えていない場合でも、文章全体の文脈から正解を推測できることがあります。法律の趣旨を理解していれば、「ここにはこの用語が入るのが自然」と判断できる場面は少なくありません。
テクニック4:時間配分を意識する
80分で8問を解く必要があるため、1問あたり10分が目安です。悩みすぎて時間切れになるのは避けたいので、分からない問題は一旦飛ばして後から戻るようにしましょう。
マークシートの塗り間違いや、問題番号のズレは致命的なミスです。最後の5分はマークの見直しに充てることをおすすめします。
科目別の選択式対策のポイント
労働基準法・安衛法
条文からの出題が中心です。労基法は条文数が多いため、頻出条文を優先的に暗記しましょう。安衛法は近年出題が増えているため、安全衛生管理体制や特別教育の対象業務なども押さえておく必要があります。
労一・社一(一般常識科目)
最も対策が難しい科目です。労一は統計・白書と労働関係法規、社一は社会保険関連の法律と制度が出題されます。範囲が広いため、予備校の対策講座や直前対策テキストを活用するのが効率的です。
年金科目(厚年・国年)
年金科目は計算や数値が多く、正確な暗記が求められます。支給要件や年金額の計算に関するキーワードは特に重要です。両科目を横断的に学習すると、共通点・相違点が整理できます。
💡 社労士試験の選択式対策では、条文集や穴埋め問題集など教材選びが非常に重要です。資格学習に役立つおすすめの参考書をジャンル別にまとめていますので、教材選びの参考にしてみてください。

おすすめの選択式対策教材
選択式対策に効果的な教材の選び方のポイントを紹介します。
- 条文集:法律の条文をキーワード単位で穴埋めできるタイプが理想的
- 選択式問題集:過去問とオリジナル問題が両方収録されているもの
- 白書・統計対策本:重要数値がコンパクトにまとまっているもの
- 一問一答:スキマ時間の学習に活用できるアプリや冊子タイプ
選択式で失点しやすい科目とその対策
労務管理その他の労働に関する一般常識(労一)
労一は出題範囲が極めて広く、対策が最も難しいとされる科目です。労働経済白書、厚生労働白書からの統計データ、労働関係法規(労働組合法、男女雇用機会均等法、パートタイム・有期雇用労働法など)、さらには労務管理に関する一般的な知識まで出題対象になります。
対策としては、直前期に発売される白書・統計対策テキストを活用するのが現実的です。数値はすべて暗記しようとせず、「前年比で増加か減少か」「大まかな水準」を押さえる程度でも十分に戦えます。
社会保険に関する一般常識(社一)
社一は国民健康保険法、介護保険法、高齢者医療確保法、児童手当法、社会保険労務士法など、試験科目以外の社会保険関連法規からも出題されるのが特徴です。各法律の目的条文と基本的な制度内容を押さえておくことが重要です。


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選択式対策のタイムライン
選択式対策は試験勉強のスタート時点から始まっているといえますが、特に意識して取り組むべき時期ごとのポイントを整理します。
学習初期(9月〜12月)
テキストを読む段階から、条文のキーワードを意識的にマークする習慣をつけましょう。「この条文のこの部分が穴埋めで出たら答えられるか?」と自問しながら読み進めると、選択式の力が自然と養われます。
学習中期(1月〜4月)
科目別の過去問演習を通じて、頻出テーマと出題パターンを把握します。選択式の過去問に取り組む際は、正解した問題でも「他の選択肢が入る可能性はないか」を検討する習慣をつけましょう。
学習後期(5月〜7月)
模擬試験の選択式パートを重点的に復習します。模試の選択式問題は各予備校が出題予想を反映して作成しているため、本番の傾向を掴むのに最適です。間違えた科目の条文を重点的に復習しましょう。
直前期(8月)
法改正事項の最終確認、白書・統計の数値整理、全科目の目的条文の総復習を行います。直前期に新しいテキストに手を出すのは避け、これまで使ってきた教材の復習に集中するのが鉄則です。
選択式の本番で焦らないためのメンタル対策
選択式は「知らない問題」が出たときのメンタル管理も重要です。5つの空欄のうち、完全に分からないものが1〜2個あっても、残りで3点以上を確保すれば科目基準点はクリアできます。
焦りから適当にマークするのではなく、以下の手順で冷静に対処しましょう。
- まず確実に分かる空欄を埋める
- 消去法で選択肢を絞り込む
- 文脈の自然さで判断する
- 最終的に残った選択肢から最も妥当なものを選ぶ
試験中にパニックになると、普段解ける問題まで落としてしまいます。深呼吸をして、1問ずつ着実に取り組むことが大切です。
まとめ
社労士試験の選択式は、足切りの仕組みがある分、受験生にとってプレッシャーの大きい試験形式です。しかし、条文キーワードの正確な暗記、目的条文の理解、統計白書の絞り込み対策、過去問と予想問題の併用、そして本番での解答テクニック――これらを組み合わせれば、合格ラインの突破は決して不可能ではありません。
特に直前期の追い込みが結果を大きく左右するため、学習計画に「選択式対策の仕上げ期間」を組み込んでおくことが重要です。


択一式の対策法については「社労士は独学で合格できる?効率的な勉強法と学習戦略を解説」もあわせてご覧ください。
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