社労士(社会保険労務士)試験は、合格率5〜7%の難関資格です。合格を勝ち取るためには、十分な勉強時間の確保と、計画的な学習スケジュールが欠かせません。
「社労士試験にはどれくらいの勉強時間が必要?」「働きながらでも合格できる?」そんな疑問を持つ方は多いのではないでしょうか。
この記事では、社労士試験に必要な勉強時間の目安を、独学・通信講座・予備校それぞれのケースで解説します。社会人が限られた時間の中で合格を目指すための具体的な学習プランも紹介していますので、ぜひ参考にしてください。

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社労士試験に必要な勉強時間の目安
学習方法別の勉強時間
社労士試験に合格するために必要な勉強時間は、学習方法によって異なります。以下が一般的な目安です。
| 学習方法 | 勉強時間の目安 | 学習期間の目安 |
|---|---|---|
| 完全独学 | 800〜1,200時間 | 1年〜1年半 |
| 通信講座 | 600〜800時間 | 8ヶ月〜1年 |
| 予備校(通学) | 600〜700時間 | 8ヶ月〜1年 |
独学の場合は800〜1,200時間、通信講座や予備校を利用する場合は600〜800時間が目安です。独学のほうが多くの時間を要するのは、教材選びや学習計画の策定、法改正情報の収集などを自分で行う必要があるためです。
他の資格との勉強時間の比較
社労士試験の勉強時間を、他の国家資格と比較してみましょう。
| 資格名 | 勉強時間の目安 | 合格率 |
|---|---|---|
| 司法書士 | 約3,000時間 | 約4〜5% |
| 社会保険労務士 | 約800〜1,000時間 | 約5〜7% |
| 行政書士 | 約600〜800時間 | 約10〜15% |
| 宅地建物取引士 | 約200〜400時間 | 約15〜18% |
| FP2級 | 約150〜300時間 | 約25〜40% |
社労士は行政書士と比べると200〜400時間ほど多い学習時間が必要です。ただし、司法書士の3,000時間と比較するとかなり現実的な範囲に収まっています。
上記の勉強時間はあくまで目安です。法律系の学習経験がある方や、人事・労務の実務経験がある方は、より短い時間で合格レベルに達する場合があります。逆に、まったくの初学者は1,200時間以上かかることもあります。
社会人のための現実的な学習スケジュール
1日の勉強時間と学習期間のシミュレーション
社会人が社労士試験に合格するために必要な1日の勉強時間を、学習開始時期ごとにシミュレーションしました。(合計800時間を想定)
| 学習開始時期 | 試験までの期間 | 平日の勉強時間 | 休日の勉強時間 |
|---|---|---|---|
| 前年9月 | 約11ヶ月 | 約2時間 | 約3〜4時間 |
| 前年12月 | 約8ヶ月 | 約2.5時間 | 約4〜5時間 |
| 当年3月 | 約5ヶ月 | 約3.5時間 | 約6〜7時間 |
社会人には前年9月スタートの11ヶ月コースが最もおすすめです。平日2時間の学習であれば、朝と夜に1時間ずつ、あるいはスキマ時間の活用で十分に確保できます。
月別学習スケジュール(前年9月スタートの場合)
| 時期 | 学習内容 | 累計時間の目安 |
|---|---|---|
| 9〜11月 | 基本テキスト通読(労働科目) | 約200時間 |
| 12〜2月 | 基本テキスト通読(社会保険科目)+問題集 | 約400時間 |
| 3〜5月 | 過去問演習+科目別対策 | 約600時間 |
| 6〜7月 | 横断学習+選択式対策+法改正チェック | 約750時間 |
| 8月 | 模試+直前対策+弱点補強 | 約800時間 |

科目別の時間配分ガイド
800時間を効率的に配分する
社労士試験の10科目に対して、以下のような時間配分が効率的です。
| 科目グループ | 含まれる科目 | 配分時間 |
|---|---|---|
| 労働基準法・安衛法 | 労働基準法、労働安全衛生法 | 約120時間 |
| 労災・雇用保険 | 労災保険法、雇用保険法、徴収法 | 約160時間 |
| 健康保険 | 健康保険法 | 約100時間 |
| 年金 | 国民年金法、厚生年金保険法 | 約200時間 |
| 一般常識 | 労一、社一 | 約80時間 |
| 横断学習・模試・直前対策 | 全科目横断 | 約140時間 |
年金科目(国民年金法・厚生年金保険法)に最も多くの時間を割くのがポイントです。年金は制度が複雑で覚えるべき数値も多いため、十分な時間をかけて理解を深める必要があります。詳しくは以下の記事で解説しています。

「一般常識」の時間配分が少なく見えますが、労一(労務管理その他の労働に関する一般常識)と社一(社会保険に関する一般常識)は、選択式で「地雷科目」になりやすい分野です。テキスト学習だけでなく、厚生労働省の白書や統計資料にも目を通しておくことをおすすめします。
勉強時間を効率的に使う学習法
インプットとアウトプットの比率
社労士試験の学習では、インプット(テキスト読み)4割、アウトプット(問題演習)6割が理想的な比率です。テキストを最初から最後まで完璧に読もうとせず、早い段階から問題演習を取り入れましょう。
スキマ時間の活用術
忙しい社会人がまとまった勉強時間を確保するのは簡単ではありません。以下のようにスキマ時間を活用すると、1日のトータル勉強時間を増やすことができます。
- 通勤電車:スマホアプリで一問一答(片道20分×往復=40分)
- 昼休み:テキストの要点チェック(15〜20分)
- 家事の合間:音声講義を聞く(30〜60分)
- 就寝前:その日の学習内容の振り返り(15〜30分)
これだけで1日1.5〜2.5時間を確保できます。帰宅後のまとまった時間と合わせれば、十分な学習量に達します。
反復学習が合格の鍵
社労士試験は暗記量が膨大なため、一度覚えた内容を忘れないようにする反復学習が非常に重要です。エビングハウスの忘却曲線によると、人は学習した内容を24時間後には約74%忘れてしまうとされています。
効果的な反復のタイミングは以下のとおりです。
- 学習した当日に軽く復習する(10〜15分)
- 翌日に前日の内容を確認する(15〜20分)
- 1週間後に再度復習する(10〜15分)
- 1ヶ月後にもう一度確認する(5〜10分)


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勉強時間が足りないときの対処法
対処法1:学習範囲に優先順位をつける
すべての論点を完璧に理解しようとすると、時間がいくらあっても足りません。出題頻度の高い論点から優先的に学習し、出題可能性の低いマイナーな論点は後回しにしましょう。過去問の出題傾向分析が、優先順位をつける際の参考になります。
対処法2:通信講座を部分的に活用する
完全独学にこだわる必要はありません。独学をベースにしつつ、苦手科目だけ通信講座の単科コースを利用するという方法もあります。年金科目だけ講座を受講するといった部分的な活用は、コストパフォーマンスの面でも優れています。
対処法3:2年計画を検討する
仕事が忙しく、1年では800時間の確保が難しい場合は、2年計画で合格を目指す選択肢もあります。1年目は全科目のインプットと問題演習、2年目は過去問演習と弱点克服に集中するという計画です。
2年計画の場合、1年目に学習した内容を忘れないための復習が重要です。1年目の終わりに全科目の過去問を一通り解いておくと、2年目のスタートがスムーズになります。詳しくは以下の記事で解説しています。
https://shikaku-navi-lab.com/?p=799
合格者の勉強時間から学ぶ
合格者に共通する学習パターン
社労士試験の合格者に共通する勉強の特徴をまとめると、以下のパターンが見えてきます。
- 毎日2〜3時間の学習を10ヶ月以上継続している
- 過去問を最低3周以上解いている
- 選択式対策を直前期だけでなく、学習初期から取り組んでいる
- 法改正情報を定期的にチェックしている
- 「勉強しない日」をゼロにしている
特に重要なのは「毎日の継続」です。週末にまとめて長時間勉強するよりも、毎日短くても学習に触れることが、知識の定着には効果的です。
よくある質問(Q&A)
Q1. 社労士試験に3ヶ月で合格できますか?
非常に厳しいです。3ヶ月で800時間を確保するには、1日9時間近い勉強が必要で、フルタイムで働いている社会人にはほぼ不可能です。法律系の学習経験が豊富な再受験者であっても、5ヶ月程度は確保したいところです。
Q2. 社労士試験の勉強はいつから始めるのがベストですか?
試験は例年8月の第4日曜日に実施されます。社会人の場合、前年の9月〜10月に開始するのがベストです。約11ヶ月の学習期間を確保でき、平日2時間ペースで十分に800時間に到達します。
Q3. 仕事をしながら合格した人はどうやって勉強時間を確保していますか?
合格者の多くは、通勤時間・昼休み・就寝前などのスキマ時間を徹底活用しています。また、朝型に切り替えて出勤前に1〜2時間勉強する方や、テレワークの日に昼休みを長めに取って勉強する方もいます。大切なのは、自分の生活パターンに合った勉強スタイルを見つけることです。
Q4. 社労士と行政書士を同時に勉強することは可能ですか?
可能ですが、おすすめしません。社労士と行政書士は試験範囲がほとんど重なっておらず、同時学習のシナジーが少ないです。一つに集中して合格し、その後にもう一方に取り組むほうが効率的です。
Q5. 勉強時間の記録はつけたほうがいいですか?
つけることを強くおすすめします。勉強時間を記録することで、学習のペースが把握でき、計画通りに進んでいるかの確認ができます。また、記録を見返すことで「これだけやった」という自信にもつながり、モチベーション維持にも役立ちます。スマホアプリ(Studyplusなど)を活用すると手軽に記録できます。
まとめ
社労士試験の勉強時間について、ポイントを整理します。
- 独学で800〜1,200時間、通信講座で600〜800時間が目安
- 社会人には前年9月スタートの11ヶ月コースがおすすめ
- 年金科目に最も多くの時間を配分する
- インプット4割・アウトプット6割が理想的な比率
- スキマ時間を活用して1日2〜3時間を確保する
- 毎日の継続が合格への最大の武器
社労士試験は長期戦です。800時間という数字に圧倒されるかもしれませんが、毎日コツコツと積み重ねれば、必ず到達できる数字です。計画的に学習を進めて、合格を勝ち取りましょう。
参考リンク:


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