介護福祉士は、介護分野で唯一の国家資格です。超高齢社会を迎えた日本では需要が高く、資格を持っていることで待遇アップやキャリアアップにつながるため、介護職で働く方にとって取得しておきたい資格の一つです。
「介護福祉士の資格を取りたいけど、どうやって取ればいいの?」「実務経験がどのくらい必要?」という疑問をお持ちの方も多いでしょう。
この記事では、介護福祉士資格の取得ルート、受験資格、試験の内容と対策までを詳しく解説します。これから介護福祉士を目指す方は、ぜひ参考にしてください。

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介護福祉士とは
介護福祉士は、「社会福祉士及び介護福祉士法」に基づく国家資格です。介護の現場で利用者の身体介護や生活援助を行うだけでなく、介護計画の作成や他の介護職員への指導・助言を行う役割も担います。
介護福祉士を取得するメリット
- 給与アップ:資格手当が付く職場が多く、無資格者と比べて月額1〜3万円程度の差が出ることがあります
- 就職・転職に有利:介護業界では人手不足が続いており、有資格者は引く手あまたの状態です
- キャリアアップの土台:ケアマネジャーやサービス提供責任者など、上位職への道が開けます
- 社会的信頼:国家資格保持者としての信頼が得られます
介護福祉士の3つの取得ルート
介護福祉士を取得するには、以下の3つのルートがあります。
ルート1:実務経験ルート(最も一般的)
受験者の約90%がこのルートで受験しています。働きながら資格取得を目指す方にとって、最も現実的な方法です。
必要な要件:
- 介護等の業務に3年以上(1,095日以上)従事していること
- 従業期間中に540日以上の実務日数があること
- 実務者研修(450時間)を修了していること
実務経験として認められる施設は、特別養護老人ホーム、介護老人保健施設、デイサービス、訪問介護事業所など多岐にわたります。資格勉強のスケジュールの立て方は以下の記事で解説しています。

実務者研修は通信学習+スクーリングで受講可能です。働きながらでも6ヶ月程度で修了できます。初任者研修(旧ヘルパー2級)を修了している場合は、一部科目が免除されて受講時間が短縮されます。
ルート2:養成施設ルート
厚生労働大臣が指定する介護福祉士養成施設(大学・短大・専門学校)を卒業するルートです。
- 2年制以上の養成施設を卒業する
- 卒業後に国家試験を受験し、合格する必要がある
養成施設では実習も含めた体系的なカリキュラムが組まれているため、実践的なスキルが身につきます。ただし、学費と通学期間がかかるため、費用面での負担が大きいのがデメリットです。
ルート3:福祉系高校ルート
福祉系高校や福祉系特例高等学校を卒業して受験するルートです。高校在学中に必要な科目を履修し、卒業後に国家試験を受験します。


実務者研修について
実務経験ルートで介護福祉士を目指す場合、実務者研修の修了が必須です。研修の概要を確認しましょう。
実務者研修の基本情報
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 受講時間 | 450時間(保有資格により短縮あり) |
| 受講期間 | 約6ヶ月(通信学習+スクーリング) |
| 費用 | 約10万〜20万円(スクールにより異なる) |
| 受講資格 | 特になし(介護経験がなくても受講可能) |
保有資格による免除
| 保有資格 | 免除される時間 | 受講時間の目安 |
|---|---|---|
| 無資格 | なし | 450時間 |
| 初任者研修(旧ヘルパー2級)修了 | 130時間 | 320時間 |
| ホームヘルパー1級修了 | 355時間 | 95時間 |
| 介護職員基礎研修修了 | 400時間 | 50時間 |
実務者研修は試験の申し込み時点では修了していなくても大丈夫ですが、試験日の前日までに修了見込みである必要があります。研修期間(約6ヶ月)を逆算して、早めに受講を開始してください。
介護福祉士国家試験の概要
試験日程と受験料
介護福祉士国家試験は毎年1月下旬に筆記試験が実施されます。実技試験は実務経験ルートの場合、実務者研修の修了により免除されます。
- 筆記試験:例年1月下旬の日曜日
- 合格発表:例年3月下旬
- 受験料:18,380円
試験の構成
筆記試験は全125問(5肢択一のマークシート方式)で、試験時間は220分です。
出題される科目群は以下のとおりです。
- 人間の尊厳と自立
- 人間関係とコミュニケーション
- 社会の理解
- 介護の基本
- コミュニケーション技術
- 生活支援技術
- 介護過程
- こころとからだのしくみ
- 発達と老化の理解
- 認知症の理解
- 障害の理解
- 医療的ケア
- 総合問題
合格基準
合格基準は総得点の60%以上(75点以上)、かつすべての科目群で1問以上正解する必要があります。毎年補正が行われるため、合格ラインは年度によって若干変動します。
介護福祉士国家試験の合格率
| 年度(回) | 受験者数 | 合格者数 | 合格率 |
|---|---|---|---|
| 第34回 | 83,082人 | 60,099人 | 72.3% |
| 第35回 | 79,151人 | 66,711人 | 84.3% |
| 第36回 | 74,595人 | 61,747人 | 82.8% |
| 第37回 | 75,387人 | 58,992人 | 78.3% |
合格率は約70〜85%と高い水準を維持しています。受験者のほとんどが実務経験者であり、日常業務で培った知識がベースになるため、しっかり対策すれば合格しやすい試験です。


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パート合格制度の導入について
第38回(2026年1月実施)から、パート合格制度が導入されました。これは試験科目をA・B・Cの3つのパートに分割し、パートごとに合格を認める制度です。
第38回は導入初年度のため、受験者全員がすべてのパートを受験します。第39回(2027年1月実施予定)以降は、合格済みのパートを免除して受験することも可能になります。
この制度の導入により、忙しい方でもパートごとに計画的に合格を目指せるようになります。詳細は社会福祉振興・試験センターの公式サイトで最新情報を確認してください。
試験対策のポイント
対策1:過去問を中心に学習する
介護福祉士国家試験は過去問からの類似出題が多いのが特徴です。過去3〜5年分の過去問を繰り返し解くことが、合格への近道です。
対策2:苦手科目をつくらない
すべての科目群で1問以上正解する必要があります。得点源を作ることも大切ですが、0点の科目を出さないことがより重要です。苦手分野は集中的に対策しましょう。
対策3:実務経験を活かす
出題内容は実務に即したものが多いため、日々の業務で「なぜこの介助方法なのか」「この対応の根拠は何か」を意識するだけでも、試験対策になります。
対策4:学習時間の確保
合格に必要な学習時間は200〜250時間が目安です。試験の約6ヶ月前から、1日1〜2時間の学習をコツコツ続けましょう。通勤時間やスキマ時間を活用したスマートフォンでの過去問演習も効果的です。資格勉強のモチベーション維持法は以下の記事で紹介しています。



介護福祉士の試験対策では、テキストだけに頼るよりも過去問中心の学習が効率的です。過去問を解くことで出題パターンが体感的にわかり、実務で身につけた知識を「試験で使える形」に変換できます。
資格取得までのスケジュール(実務経験ルート)
| 時期 | やること |
|---|---|
| 介護職として就業開始 | 実務経験のカウント開始 |
| 就業1年目〜 | 初任者研修の受講(未取得の場合) |
| 就業2年目〜 | 実務者研修の受講開始(約6ヶ月) |
| 就業3年目・7月頃 | 受験の申し込み |
| 就業3年目・8月〜 | 試験対策の開始 |
| 就業3年目・1月 | 国家試験の受験 |
| 3月 | 合格発表・資格登録 |


よくある質問(Q&A)
Q. 介護の経験がまったくないのですが、介護福祉士を目指せますか?
はい、目指せます。未経験からスタートする場合は、まず介護職として就業し、実務経験を積みながら資格取得を目指すのが一般的です。初任者研修を取得してから就業すると、スムーズに業務に入れます。通信講座の選び方は以下の記事で比較しています。



Q. 実務経験3年には、パート・アルバイトの期間も含まれますか?
はい、含まれます。雇用形態(正社員・パート・派遣など)は問われません。ただし、従業期間3年以上かつ従事日数540日以上の両方を満たす必要があります。
Q. 実務者研修の費用を安く抑える方法はありますか?
職場の資格取得支援制度を利用できる場合があります。また、ハローワークの教育訓練給付金を利用すれば、受講費用の一部が支給されます。詳しくは厚生労働省の教育訓練給付金のページをご確認ください。
Q. 不合格になった場合、翌年また受験できますか?
はい、受験資格は一度満たせば有効です。不合格になっても翌年以降に再受験が可能です。受験料は毎回かかりますが、受験回数に制限はありません。
Q. 介護福祉士の登録に費用はかかりますか?
合格後の資格登録には、登録免許税9,000円と登録手数料3,320円の合計12,320円がかかります。
合格後は速やかに資格登録を行いましょう。登録しなければ「介護福祉士」を名乗ることはできません。登録申請は社会福祉振興・試験センターで行います。
まとめ
介護福祉士の資格は、実務経験ルート、養成施設ルート、福祉系高校ルートの3つの方法で取得できます。社会人の方は実務経験ルートが最も現実的で、3年以上の実務経験と実務者研修の修了が受験要件となります。
国家試験の合格率は約70〜85%と高く、過去問を中心にしっかり対策すれば合格は十分に可能です。
資格取得までのステップを整理すると以下のとおりです。
- 介護職として就業し、実務経験を積む
- 実務者研修を修了する
- 国家試験に申し込み、過去問中心の対策を行う
- 国家試験に合格し、資格登録を行う
介護福祉士は、介護の専門家としてのキャリアを築くための重要な第一歩です。計画的に準備を進めて、資格取得を目指しましょう。
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最後までお読みいただきありがとうございます。長時間の勉強で目や体に負担を感じている方は、こちらの記事もぜひご覧ください。


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