基本情報技術者試験は、ITエンジニアとしての基礎力を証明する国家資格です。合格率は40〜45%程度で、しっかりと対策すれば独学でも合格を狙える試験ですが、参考書選びを間違えると、勉強が一気に非効率になってしまうのも事実です。
基本情報技術者試験は科目A(知識問題)と科目B(アルゴリズム・プログラミング)で求められるスキルが異なるため、それぞれに適した参考書を選ぶ必要があります。
この記事では、基本情報技術者試験の参考書を選ぶ際の重要ポイントと、科目A・科目Bそれぞれの対策に適した参考書の特徴を詳しく解説します。自分のレベルや学習スタイルに合った参考書を見つけて、効率的な試験対策を進めましょう。

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基本情報技術者試験の参考書を選ぶ5つのポイント
1. 最新の試験制度に対応しているか
基本情報技術者試験は制度改定が行われ、従来の午前・午後試験から科目A・科目Bへと変更されました。科目Bではプログラミング言語の選択がなくなり、疑似言語によるアルゴリズム問題が中心になっています。
必ず新制度(科目A・科目B方式)に対応した参考書を選んでください。旧制度の参考書は、特に科目Bの対策において内容が大きく異なるため、使用は避けましょう。
2. 科目A対策と科目B対策をカバーしているか
参考書によっては、科目Aの知識分野のみをカバーしているものや、科目Bのアルゴリズム対策に特化したものがあります。1冊ですべてをカバーする総合型の参考書もありますが、科目ごとに専門の参考書を用意する方が対策の質は上がります。
予算と学習時間のバランスを考えて、自分に合った組み合わせを選びましょう。
3. 解説の丁寧さとわかりやすさ
基本情報技術者試験は出題範囲が広いため、各項目の解説がどの程度丁寧かは参考書によってかなり差があります。IT未経験者は、専門用語をかみ砕いて説明している参考書を選ぶのが無難です。
書店で実際に数ページ読んでみて、「自分が読み続けられそうかどうか」を確認するのが最も確実な選び方です。
4. 練習問題・過去問の掲載量
参考書で知識をインプットした後、練習問題でアウトプットすることが知識の定着に不可欠です。各章末に確認問題がついている参考書は、学んだ内容をすぐに確認できるので学習効率が高まります。
また、巻末に模擬試験や過去問がまとめて掲載されている参考書は、直前期の総仕上げにも使えます。
5. 持ち運びのしやすさと読みやすさ
基本情報技術者の参考書は600〜800ページ程度のものが多く、かなり分厚くなりがちです。通勤・通学中に学習したい方は、分冊タイプやコンパクトな要点集を持ち歩き用に用意するのもよいでしょう。
また、文字のサイズ、行間、レイアウトなど、長時間読んでも疲れにくいデザインかどうかも重要なチェックポイントです。

科目A対策におすすめの参考書タイプ
初心者向け:イラスト図解型テキスト
IT未経験者や文系出身の方に最適なのが、イラストや図解をふんだんに使った参考書です。「キタミ式イラストIT塾 基本情報技術者」はこのカテゴリの代表格で、複雑なIT概念をマンガ風のイラストでわかりやすく解説しています。
このタイプのメリットは、ITの専門知識がゼロでも挫折しにくい点です。ネットワークやデータベースなど、文字だけでは理解しにくい概念も、視覚的に把握できます。
デメリットとしては、イラストが多い分、情報量が控えめになりがちな点があります。この参考書で基礎を固めた後、過去問演習で知識を補っていく学習法がおすすめです。
定番:網羅型テキスト
試験範囲を体系的にカバーする定番テキストです。「基本情報技術者 合格教本」や「ニュースペックテキスト 基本情報技術者」などが人気です。
出題範囲を漏れなくカバーしているため、この1冊をしっかりやり込めば科目Aの知識面は十分にカバーできます。各章末に確認問題がついているものが多く、インプットとアウトプットを交互に行えるのもメリットです。
ある程度のIT知識がある方は、このタイプの参考書から始めるのが効率的です。
短期集中:要点集約型テキスト
試験に出やすいポイントに絞ってコンパクトにまとめたタイプの参考書です。すでに基礎知識がある方や、試験直前の総復習に適しています。
このタイプだけでゼロから合格を目指すのは難しいですが、メイン参考書と併用して「暗記の仕上げ」に使うと非常に効果的です。
科目A対策の参考書は、基本的に1冊で十分です。複数冊に手を出すと学習が分散してしまいます。1冊をしっかりやり込んだうえで、過去問演習で仕上げるのが最も効率的な学習法です。
科目B対策におすすめの参考書タイプ
アルゴリズム対策の専門書
科目Bの中心はアルゴリズムとプログラミングの問題です。科目A対策の参考書だけではカバーしきれないため、アルゴリズム対策の専門書を別途用意することを強くおすすめします。
「うかる!基本情報技術者 科目B・アルゴリズム編」や「基本情報技術者 科目Bの重点対策」などが、科目B対策に特化した参考書として評判です。
これらの参考書では、疑似言語の読み方からトレース(処理の追跡)の方法まで、段階的に解説しています。プログラミング未経験者でも、順番に進めていけば理解できるように設計されています。
プログラミング入門書(補助教材として)
疑似言語の理解に苦労している方は、Pythonなどのプログラミング入門書を補助教材として使うのも有効です。実際にプログラムを書いて動かす経験があると、疑似言語の処理の流れが格段にイメージしやすくなります。
ただし、プログラミングの学習に時間をかけすぎて、試験対策が疎かにならないよう注意してください。あくまで「疑似言語の理解を助けるための補助」という位置づけで活用しましょう。
情報セキュリティ対策書
科目Bでは情報セキュリティの問題も4問出題されます。科目Aの対策で学んだセキュリティの知識がベースになりますが、科目Bでは事例を読み解く力が求められるため、セキュリティに特化した問題集で練習しておくと安心です。

基本情報技術者試験の独学勉強法について詳しくは以下の記事で解説しています。

レベル別おすすめの参考書の組み合わせ
IT未経験者(ゼロからスタート)
IT未経験者は、以下の組み合わせがおすすめです。
- 科目A対策:イラスト図解型テキスト1冊
- 科目B対策:アルゴリズム対策専門書1冊
- 仕上げ:無料の過去問サイト(基本情報技術者試験ドットコム等)
参考書2冊+過去問サイトの構成で、合計3,000〜5,000円程度の費用で対策できます。通信講座に比べてかなりコスパが良いのが独学の魅力です。
ITパスポート合格者
ITパスポートで基礎を学んでいる方は、科目Aは網羅型テキストで効率よくカバーし、科目B対策に時間を多く割くのがおすすめです。
- 科目A対策:網羅型テキスト1冊
- 科目B対策:アルゴリズム対策専門書1冊
- 仕上げ:無料の過去問サイト
IT業界経験者
実務でITに携わっている方は、科目Aは過去問中心の対策で十分でしょう。科目Bも基礎は理解できているはずなので、問題演習を中心に進めます。
- 科目A対策:要点集約型テキスト+過去問サイト
- 科目B対策:アルゴリズム対策専門書(苦手な場合のみ)
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参考書を最大限に活用する学習テクニック
3周読みの法則
参考書は最低3周読むことをおすすめします。各周の目的は以下のとおりです。
- 1周目(速読):全体像を掴む。理解できなくてもOK。1〜2週間で読み切る
- 2周目(精読):各項目をしっかり理解しながら読む。マーカーやメモを活用。2〜3週間
- 3周目(復習):2周目でマーカーを引いた箇所を中心に復習。1週間程度
参考書と過去問を往復する
参考書を全部読み終えてから過去問に取り組む方法もありますが、各章を読み終えるごとに関連する過去問を解く方が記憶に定着しやすいです。「参考書1章読む→関連する過去問を解く→間違えたら参考書に戻る」というサイクルを繰り返しましょう。
参考書に書き込む
きれいに使おうとせず、どんどん書き込みましょう。過去問で間違えた知識を参考書に追記したり、自分なりの理解を余白にメモしたりすることで、参考書が「自分専用のベストテキスト」に進化していきます。
参考書の情報だけでは不十分な場合もあります。特にシラバスの改訂で追加された新しい分野(AI、データサイエンスなど)は、参考書のカバーが手薄なことがあります。IPAの公式サイト(基本情報技術者試験シラバス(www.ipa.go.jp・サイト終了))で出題範囲を確認し、参考書に載っていない分野はWebで補完しましょう。

ITパスポートの参考書について詳しくは以下の記事で解説しています。

よくある質問(Q&A)
Q1. 参考書は何冊必要ですか?
科目A対策に1冊、科目B(アルゴリズム)対策に1冊の合計2冊が基本です。IT経験者であれば1冊で済む場合もあります。大切なのは冊数ではなく、選んだ参考書を徹底的にやり込むことです。
Q2. 参考書だけで合格できますか?それとも過去問集も必要ですか?
参考書での知識インプットと過去問演習の両方が必要です。ただし、過去問集は書籍として買わなくても、基本情報技術者試験ドットコムなどの無料サイトで十分に対応できます。参考書+無料過去問サイトの組み合わせが最もコスパの良い学習法です。
Q3. 旧制度(午前・午後方式)の参考書は使えますか?
科目Aの知識分野は旧制度の午前試験と重なる部分が多いため、知識のインプットには使えます。ただし、科目Bは旧制度の午後試験とは出題形式が大きく異なるため、旧制度の参考書では対応できません。可能であれば、新制度対応の参考書を購入することをおすすめします。
Q4. 電子書籍版と紙の本、どちらがおすすめですか?
学習スタイルに合わせて選んでください。紙の本は書き込みやページのめくりやすさで優れています。電子書籍は持ち運びの便利さと検索機能がメリットです。アルゴリズムの参考書は、紙に書きながら手を動かして学ぶことが多いため、紙の本がおすすめです。
Q5. 参考書の選び方で最もやってはいけないことは?
最もやってはいけないのは、ネットの評判だけで選ぶことです。どんなに評判が良い参考書でも、自分にとって読みにくければ意味がありません。必ず書店で実物を手に取り、数ページ読んでから購入を判断してください。また、複数の参考書を同時に使うのも避けましょう。学習の軸がブレてしまいます。
まとめ
基本情報技術者試験の参考書選びのポイントを振り返ります。
- 新制度(科目A・科目B方式)に対応した参考書を選ぶのが大前提
- 科目A対策と科目B(アルゴリズム)対策は、それぞれ専用の参考書を用意するのが理想
- IT未経験者はイラスト図解型、経験者は網羅型または要点集約型がおすすめ
- 参考書は1冊をしっかりやり込むことが最も効率的
- 無料の過去問サイトを併用して、アウトプットの量を確保する
正しい参考書を選んで計画的に学習すれば、独学でも基本情報技術者試験の合格は十分に可能です。まずは書店に足を運んで、自分に合った参考書を見つけてください。


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