基本情報技術者試験は、ITエンジニアの登竜門として知られる国家資格です。IT業界で働く方はもちろん、IT分野へのキャリアチェンジを考えている方にとっても、取得しておきたい資格のひとつです。
「独学で合格できるの?」と不安に感じる方も多いかもしれませんが、正しい勉強法で取り組めば、独学でも十分に合格を狙えます。実際、通信講座やスクールを利用せず、市販の参考書と過去問だけで合格している方はたくさんいます。
この記事では、基本情報技術者試験に独学で合格するための具体的な勉強法、必要な勉強時間、つまずきやすいポイントとその対策を徹底解説します。

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基本情報技術者試験の概要
試験形式と出題範囲
基本情報技術者試験は、科目A(旧・午前試験)と科目B(旧・午後試験)の2つで構成されています。
科目A(60問・90分)
- テクノロジ系、マネジメント系、ストラテジ系から幅広く出題
- 四肢択一のマークシート方式
- 過去問の焼き直しが多い
科目B(20問・100分)
- アルゴリズムとプログラミング(16問)、情報セキュリティ(4問)
- 疑似言語によるプログラミング問題が中心
- 思考力・読解力が問われる
CBT方式で受験でき、試験は通年で実施されています。自分のペースで受験スケジュールを組めるのは大きなメリットです。
合格基準
科目A・科目Bともに、1,000点満点中600点以上で合格です。IRT(項目応答理論)に基づくスコアリングのため、単純な正答率ではありませんが、おおむね6割以上の正答を目指して学習すれば問題ありません。
独学に必要な勉強時間の目安
基本情報技術者試験の合格に必要な勉強時間は、バックグラウンドによって大きく異なります。
| 受験者のタイプ | 勉強時間の目安 | 学習期間の目安 |
|---|---|---|
| IT未経験者 | 200〜300時間 | 3〜6ヶ月 |
| ITパスポート合格者 | 150〜200時間 | 2〜4ヶ月 |
| IT業界の経験者 | 80〜150時間 | 1〜3ヶ月 |
IT未経験者の場合、1日2時間の学習で3〜6ヶ月程度が目安です。社会人で平日の学習時間が限られる場合は、休日にまとまった時間を確保して科目Bのアルゴリズム問題に取り組むと効率的です。

独学での具体的な勉強法【科目A編】
ステップ1:参考書で基礎知識をインプット(4〜6週間)
まずは参考書を1冊選び、最初から最後まで通読します。最初の1周は「全体像を掴む」ことが目的なので、理解できない部分があっても立ち止まらずに読み進めてください。
2周目は、各章の内容をしっかり理解しながら読み進めます。重要な用語や概念にはマーカーを引き、自分なりのメモを書き込みましょう。参考書は「読む」のではなく「使い込む」意識で取り組むのがポイントです。
ステップ2:過去問演習で知識を定着(4〜6週間)
科目Aの対策は、過去問演習が最も効果的です。過去問の焼き直しや類似問題が多く出題されるため、過去問を繰り返し解くことで本番での得点力が大幅にアップします。
おすすめの学習法は以下のとおりです。
- 過去問を1回分解く(時間を計る)
- 答え合わせをして、間違えた問題の解説を読む
- 間違えた問題に関連する分野を参考書で復習する
- 数日後に、間違えた問題だけ再度解く
この流れを最低でも5〜10回分の過去問で繰り返しましょう。基本情報技術者試験ドットコムでは過去問の解説が無料で公開されており、非常に便利です。
科目Aは正答率80%以上を安定して取れるようになったら、科目B対策に比重を移しましょう。科目Aの対策に時間をかけすぎて、科目Bの対策が不十分になるのは独学でありがちな失敗パターンです。
独学での具体的な勉強法【科目B編】
科目Bの攻略が合否を分ける
基本情報技術者試験の独学において、最大の壁となるのが科目Bのアルゴリズム・プログラミング問題です。科目Aは暗記中心で対応できますが、科目Bは論理的思考力が求められるため、付け焼き刃では対応できません。
科目Bでは疑似言語(試験独自のプログラミング言語)が使われます。実際のプログラミング言語(Python、Java等)の知識がなくても解答できるよう設計されていますが、プログラムの処理の流れを追跡する力が必要です。
ステップ1:疑似言語の基本文法を理解する
まずは疑似言語の基本的な文法(変数の宣言、条件分岐、繰り返し、配列操作など)を理解しましょう。IPAの公式サイトで公開されているサンプル問題を参照すると、疑似言語の仕様がわかります。
ステップ2:トレース練習を繰り返す
アルゴリズム問題を解くコツは、プログラムを1行ずつ追跡(トレース)する力を養うことです。具体的には、変数の値がどのように変化するかを紙に書きながら追いかけていきます。
最初は非常に時間がかかりますが、繰り返し練習することで処理の流れを追うスピードが上がっていきます。面倒でも、必ず手を動かして書きながらトレースしてください。頭の中だけでやろうとすると、途中で混乱します。
ステップ3:定番アルゴリズムを覚える
基本情報技術者試験で頻出のアルゴリズムは限られています。以下のアルゴリズムは必ず理解しておきましょう。
- 線形探索・二分探索:データの中から目的の値を見つける
- バブルソート・選択ソート:データを並べ替える
- スタック・キュー:データ構造の基本
- 再帰処理:関数が自分自身を呼び出す処理
- 木構造の走査:二分木の前順・中順・後順走査
これらのアルゴリズムの動作を理解していると、初見の問題でも応用が利くようになります。
ステップ4:セキュリティ分野は確実に得点する
科目Bの20問中4問は情報セキュリティの問題です。アルゴリズム問題に比べると取り組みやすいので、ここは確実に得点できるよう対策しましょう。攻撃手法(SQLインジェクション、クロスサイトスクリプティングなど)と対策技術(暗号化、認証、ファイアウォールなど)を重点的に学習してください。

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独学でつまずきやすいポイントと対策
1. 用語が多すぎて覚えきれない
基本情報技術者試験は出題範囲が広く、覚えるべき用語が膨大です。一度に全部覚えようとすると挫折するので、「まず過去問に出てくる用語から覚える」というアプローチが効果的です。
過去問を解きながら知らない用語が出てきたら、その都度参考書やWebで調べてノートにまとめる。この繰り返しで、出題頻度の高い用語から自然と身についていきます。
2. 計算問題が苦手
2進数の変換、稼働率の計算、ネットワークの伝送時間の計算など、数学的な問題も出題されます。公式を丸暗記するのではなく、「なぜその公式になるのか」を理解することが重要です。
計算問題は出題パターンが限られているため、過去問の計算問題だけをピックアップして集中的に練習するのが効率的です。
3. モチベーションが続かない
独学の最大の敵は、モチベーションの維持です。以下のような工夫でモチベーションを保ちましょう。
- 試験日を先に予約する:締め切り効果で学習に緊張感が生まれる
- 学習記録をつける:毎日の学習時間を記録すると達成感が得られる
- SNSやコミュニティを活用する:同じ目標の仲間がいると刺激になる
- 小さな目標を設定する:「今週は過去問2回分を解く」など、週単位の目標を立てる
4. 科目Aと科目Bのバランスが取れない
独学では科目Aの暗記に偏りがちで、科目Bの対策が手薄になるケースが多く見られます。学習計画の段階で、全体の学習時間のうち40〜50%を科目Bに充てるよう意識してください。
科目Aで高得点を取っても、科目Bが基準点(600点)に満たなければ不合格です。「科目Aは得意だから大丈夫」と安心して科目B対策を怠ると、本番で痛い目に遭います。特にプログラミング未経験の方は、科目B対策に十分な時間を確保してください。
基本情報技術者試験の参考書について詳しくは以下の記事で解説しています。

独学におすすめの学習リソース
参考書
独学の相棒となる参考書は、自分のレベルに合ったものを1冊選びましょう。IT未経験者はイラストや図解が多いものを、ある程度知識がある方は情報量の多いものがおすすめです。
無料の過去問サイト
基本情報技術者試験ドットコムは、過去問と詳しい解説が無料で利用できる定番サイトです。分野別・年度別に問題を絞って学習できるので、弱点の集中補強にも使えます。
動画教材
YouTubeには基本情報技術者試験の解説動画が多数公開されています。特にアルゴリズムの解説は、参考書の文字だけよりも動画で動きを見た方が理解しやすいです。テキストで理解が難しい分野の補足として活用しましょう。
プログラミング学習サイト
科目Bのプログラミング問題に不安がある方は、Pythonなどの入門レベルのプログラミングを学んでおくと、疑似言語の理解が格段にスムーズになります。paizaラーニングやProgateなど、無料で始められるサービスを活用してみてください。

応用情報技術者試験の勉強法について詳しくは以下の記事で解説しています。

よくある質問(Q&A)
Q1. プログラミング未経験でも独学で合格できますか?
はい、プログラミング未経験でも合格は可能です。ただし、科目Bのアルゴリズム問題は論理的思考力が求められるため、十分な練習時間を確保してください。疑似言語のトレース練習を繰り返し、処理の流れを追う力を鍛えることが重要です。不安な方は、Pythonの入門レベルを事前に学んでおくとスムーズです。
Q2. ITパスポートを飛ばして、いきなり基本情報技術者を受けても大丈夫ですか?
受験資格に制限はないので、いきなり基本情報技術者を受験することは可能です。IT業界で働いている方や、理系の学生であれば問題なく対応できるでしょう。ただし、IT未経験者の場合は、まずITパスポートで基礎を固めてからステップアップした方が効率的な場合もあります。
Q3. 独学と通信講座、どちらがおすすめですか?
自分で学習計画を立てて継続的に勉強できる方は、独学で十分に合格可能です。市販の参考書と過去問サイトだけで合格している方は多くいます。一方、一人では学習の継続が難しい方や、科目Bのアルゴリズムがどうしても理解できない方は、通信講座を検討する価値があります。
Q4. 不合格だった場合、すぐに再受験できますか?
はい、基本情報技術者試験はCBT方式で通年実施されているため、不合格後すぐに再受験を申し込めます。ただし、不合格の原因を分析し、弱点を補強してから再受験することをおすすめします。
Q5. 基本情報技術者の次に目指すべき資格は?
IT分野でキャリアアップを目指すなら、応用情報技術者試験が次のステップです。基本情報技術者と出題範囲が重なる部分が多いため、知識が新しいうちに挑戦するのが効率的です。また、特定の分野に進みたい場合は、情報セキュリティマネジメントやネットワークスペシャリストなどの専門試験も選択肢に入ります。
まとめ
基本情報技術者試験の独学勉強法をまとめます。
- 科目Aは参考書+過去問演習で対応可能。過去問の正答率80%以上を目指す
- 科目Bは疑似言語のトレース練習が最重要。全学習時間の40〜50%を充てる
- IT未経験者で200〜300時間、IT経験者で80〜150時間が勉強時間の目安
- 無料の過去問サイトやプログラミング学習サイトを積極的に活用する
- モチベーション維持のため、先に試験日を予約し、学習記録をつける
基本情報技術者は、独学で合格できる資格です。正しい勉強法で計画的に学習を進めれば、きっと合格を勝ち取れます。まずは参考書と過去問サイトを用意して、今日から学習をスタートさせましょう。

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