日商簿記2級や1級の勉強では、「テキストを読んでも仕訳の意味がわからない」「暗記に頼っていて応用問題で手が止まる」と悩むことがあります。とくに連結会計や会計学は、テキストだけでは理解に時間がかかりがちです。
公認会計士たぬ吉の資格塾は、公認会計士の「たぬ吉」さんが講義動画を担当するオンラインの資格塾です。日商簿記2級の商業簿記講座と、日商簿記1級の原価計算講座・商業簿記・会計学講座を有料で提供しており、「なぜその処理になるのか」を論理で理解することを重視した講義が特徴です。一方で、市販テキストとの併用が前提であることや、工業簿記はYouTubeでの無料配信になっていることなど、申し込み前に知っておきたい点もあります。
この記事では、たぬ吉の資格塾の日商簿記講座について、コース内容・料金・メリットとデメリット・口コミの傾向・他社との違い・申し込みの流れを、公式サイトに書かれている情報をもとに整理しました。簿記の学習方法を選ぶときの判断材料にしてください。

たぬ吉の資格塾とは?サービス概要
公認会計士たぬ吉の資格塾は、株式会社たぬ吉資格塾が運営する動画講義サービスです。公式サイトでは「論理的思考を鍛え効率的に試験合格へと導く、資格試験に特化した資格塾」と紹介されています。講師のたぬ吉さんは公認会計士で、日商簿記1級講座のページでは監査法人で約5年勤務してきた経験をもとに講義を作成したと説明されています。
| サービス名 | 公認会計士たぬ吉の資格塾 |
|---|---|
| 運営会社 | 株式会社たぬ吉資格塾(東京都港区) |
| 講師 | 公認会計士たぬ吉(監査法人での勤務経験あり) |
| 学習形式 | 会員サイトで視聴する講義動画(テキスト・問題集は市販品を別途用意) |
| 有料の簿記講座 | 日商簿記2級 商業簿記講義/日商簿記1級 原価計算講座・商業簿記・会計学講座(第Ⅰ部・第Ⅱ部) |
| 無料の講義 | 日商簿記3級、2級工業簿記、1級工業簿記はYouTubeで配信 |
| 料金(税込) | 各講座33,000円/2級の個別サポート付パックは82,500円 |
| 視聴期間 | 期限なし(購入後は無期限で視聴可能と案内) |
| 支払い方法 | クレジットカード(VISA、Master、JCB、AMEX、DinersClub)、銀行振込 |
公式サイトにはExcelやITパスポート、秘書検定などの講座も掲載されていますが、この記事では日商簿記2級・1級の有料講座を中心に紹介します(3級の講座もあり、講義動画はYouTubeで無料配信されています)。試験範囲が改定された場合は、改定論点の動画が追加されると案内されています。
たぬ吉の資格塾の日商簿記講座のコース
有料の簿記講座は2級と1級で構成が分かれ、どちらも「工業簿記はYouTubeで無料、それ以外を有料講座で学ぶ」形です。
日商簿記2級 商業簿記講義
2級の有料講座は商業簿記に特化した全23回の講義動画です。商品売買・有形固定資産・リース取引・有価証券・外貨建取引・税効果・連結会計・本支店会計など、2級商業簿記の主要論点が並んでいます。さらに「厳選!仕訳問題30問」「収益認識基準 徹底解説」や、第2問〜第5問の集中特訓問題の回も用意されています。
公式サイトに掲載されている各回の動画時間を合計すると、全23回で約7時間16分です。1回あたりは5分前後から40分程度まで幅があり、短めの動画でスキマ時間に視聴しやすい構成になっています。音声だけでも学習できるように作られている点も公式サイトで案内されています。
購入者には特典として、2級商業簿記の勘定科目をまとめたPDF教材「日商簿記2級 商業簿記 勘定科目総まとめ」が付きます。2級の工業簿記はYouTubeで無料配信されています。
2級を独学で進める場合の勉強の流れは、以下の記事でも解説しています。

日商簿記1級 原価計算講座・商業簿記・会計学講座
1級は3つの有料講座に分かれています。1級の試験範囲は広いため、公式サイトでは1講義の長さを15分〜30分前後に設定し、無理なく継続できるようにしたと説明されています(論点によっては40分を超える回もあります)。
- 原価計算講座:全17回(合計約5時間31分)。直接原価計算、CVP分析、予算編成、業務的意思決定・構造的意思決定、活動基準原価計算などを扱います。
- 商業簿記・会計学講座【第Ⅰ部】:全22回(合計約7時間41分)。会計学の基礎知識、特殊商品売買、金銭債権、有価証券、デリバティブ、リース会計、減損会計、収益認識基準などを扱います。
- 商業簿記・会計学講座【第Ⅱ部】:全20回(合計約8時間54分)。退職給付会計、社債、純資産、税効果会計、企業結合・事業分離、連結会計、持分法、外貨換算会計、キャッシュフロー計算書などを扱います。
1級の工業簿記もYouTubeでの無料配信です。1級は合格すると税理士試験の受験資格が得られる級で、たぬ吉の資格塾でも公認会計士試験・税理士試験と範囲が重なる点に触れています。
1級の難しさや合格率の推移は、こちらの記事で詳しくまとめています。





たぬ吉の資格塾の料金
料金はすべて税込の買い切り価格です。公式サイト(2026年10月時点)に掲載されている金額は以下のとおりです。
| 講座・プラン | 内容 | 料金(税込) |
|---|---|---|
| 日商簿記2級 スタンダードパック | 商業簿記講義全23回+勘定科目総まとめPDF | 33,000円 |
| 日商簿記2級 個別サポート付パック | スタンダードパックの内容+たぬ吉さんの個別LINEサポート(3ヵ月間無制限) | 82,500円 |
| 日商簿記1級 原価計算講座 | 全17回 | 33,000円 |
| 日商簿記1級 商業簿記・会計学講座【第Ⅰ部】 | 全22回 | 33,000円 |
| 日商簿記1級 商業簿記・会計学講座【第Ⅱ部】 | 全20回 | 33,000円 |
- どの講座も月額制ではなく買い切り。視聴期間に期限はないと案内されている
- 2級の個別サポート付パックは、対応人数に限りがあるため一定数の限定販売
- 1級の3講座をすべてそろえる場合は合計99,000円(税込)
- 工業簿記(2級・1級)と3級の講義はYouTubeで無料視聴できる
- テキスト・問題集は含まれないため、市販教材の費用が別にかかる
1級は「原価計算だけが苦手」なら原価計算講座だけを購入する、といった使い方もできます。なお、公式サイトでは教材として、TAC出版の「みんなが欲しかった」シリーズ、「スッキリわかる」シリーズ、または「パブロフ簿記」がすすめられています。
たぬ吉の資格塾のメリット
メリット1:「なぜその処理になるのか」を理解しながら学べる
たぬ吉の資格塾の講義は、仕訳を暗記させるのではなく、取引をイメージしてBS・PLの視点から論理立てて仕訳を導き出す考え方を重視しています。公式サイトでも「『なぜ?』が理解できると簿記の成績は向上する」という方針が示されています。丸暗記に頼っていて応用問題で手が止まる方にとって、理解の土台を作り直すきっかけになる講義です。
メリット2:1本が短めで、スキマ時間に進めやすい
講義動画は1本ずつが短めで、仕事や学校の後の限られた時間でも進めやすい構成です。音声だけでも学習できるため、通勤中の復習にも使えます。速度調整にも対応し、スマホやパソコンなど複数のデバイスで視聴できます。
メリット3:買い切りで視聴期限がなく、試験範囲の改定にも対応
一度購入すれば視聴期間に期限はないと案内されており、試験範囲の改定時には解説動画が追加されます。一度で合格できなかった場合も同じ講座で学び直しやすく、必要な科目だけを各33,000円で選べる点も検討しやすいポイントです。
メリット4:工業簿記や3級は無料で講義の雰囲気を確かめられる
2級・1級の工業簿記と3級の講義はYouTubeで無料配信されているため、購入前に講師の説明が自分に合うかを確かめられます。2級の個別サポート付パックを選べば、3ヵ月間は公認会計士の講師本人にLINEで質問できる環境も用意されています。


たぬ吉の資格塾のデメリット・注意点
- テキスト・問題集は付いていないため、市販教材を別に用意する必要がある
- 有料講座は商業簿記・会計学・原価計算が中心で、工業簿記の講義はYouTube配信のみ
- 講師本人への個別質問ができるのは2級の個別サポート付パック(3ヵ月間・限定販売)で、1級講座の販売ページには個別サポートの記載がない
- デジタルコンテンツの性質上、決済完了後の返金・キャンセル・他商品への振替は原則できない
- 利用規約では、アカウントの共有や同時に複数端末からログインする行為が禁止されている
たぬ吉の資格塾は、テキストや問題集を解くための理解を手助けする教材という位置づけで、公式サイトでは「たぬ吉動画→テキスト→問題集→過去問」の順で進める方法が紹介されています。教材一式がそろった通信講座とは異なり、教材選びや学習計画は自分で組み立てる必要があります。
また、「無期限視聴」は、運営会社がコンテンツの配信を続けている期間に視聴できるという意味であることが公式のサービス利用規約に記載されています。試験制度の改定などで講座単位の配信が終了する場合があり、その場合も無期限表示のコンテンツは返金の対象外とされています。購入前に規約を一読しておくと安心です。
たぬ吉の資格塾の口コミ・評判
ネット上の口コミや受講者の感想から、評価されている点と気にされている点の傾向をまとめました。
良い口コミ
- 説明が論理的でわかりやすく、テキストだけでは理解できなかった論点が腑に落ちたという声が多い
- 1本の動画が長すぎないので集中力が続き、スキマ時間に少しずつ進められる点を評価する声が目立つ
- YouTubeの無料動画で講義の雰囲気をつかんでから有料講座を購入できるので、安心して申し込めたという声がある
- 講座の価格設定が良心的だと評価する声や、個別サポート付パックで講師本人に質問できた点を評価する声も見られる
気になる口コミ
- 動画講義のみでテキストが付かないため、教材を別に購入する必要がある点をマイナスに挙げる比較記事がある
- 大手スクールと比べると口コミの件数自体がまだ少なく、評判だけで判断するのは難しい面がある
講義のわかりやすさや動画の短さを評価する声が多い一方、テキストが別売りである点を気にする声も見られます。無料講義で相性を確かめてから選ぶと安心です。
たぬ吉の資格塾と他社との比較
簿記講座を提供している代表的なスクールを、学習スタイルと特徴で比較しました(各社公式サイトの記載をもとに整理)。
| サービス | 学習スタイル | 主な特徴 |
|---|---|---|
| たぬ吉の資格塾 | 講義動画(テキストは市販品を併用) | 公認会計士による理解重視の講義。科目ごとの買い切りで視聴期限なし。工業簿記と3級はYouTubeで無料 |
| スタディング | オンライン(スマホ・PC) | スマホで学べるオンライン講座。スキマ時間の学習を前提にした設計 |
| TAC | 通学+通信 | 教室講義と通信講座があり、オンラインライブクラスも開講 |
| LEC東京リーガルマインド | 通学+通信 | 通学講座とWeb講座を用意。ネット試験対策のWeb模試が付くコースもある |
| ネットスクール | WEB講座 | インターネットで受講するWEB講座。簿記の書籍も出版している |
教材一式がそろったカリキュラムや教室での講義を求める方にはTACやLECのような総合型が向いています。一方、市販テキストを軸に、わかりにくい論点を公認会計士の講義で補強したい方には、科目ごとに買えるたぬ吉の資格塾が選択肢になります。


たぬ吉の資格塾の申し込み・受講の流れ
申し込みはオンラインで完結します。公式サイトで案内されている流れは次のとおりです。
- 講座を選ぶ:2級はスタンダードパックか個別サポート付パック、1級は原価計算・第Ⅰ部・第Ⅱ部から必要な講座を選びます。
- 申し込みフォームに入力:1級は「新規登録の方」と「他の講座を購入済の方」でフォームが分かれています。
- 支払い:クレジットカード(VISA、Master、JCB、AMEX、DinersClub)または銀行振込を選びます。銀行振込は注文から5日以内に支払います。
- 会員サイトの案内を受け取る:決済完了後に「動画視聴会員サイト」が届きます。2級は会員サイトから勘定科目総まとめのPDFもダウンロードできます。
- 受講開始:メールアドレスとパスワードでログインして視聴します。個別サポート付パックの場合は、個別サポート用のLINE IDも届きます。
クレジットカード決済なら決済後すぐに視聴できます。銀行振込は1日3回(10時・13時・16時)の入金チェック後に視聴可能になります。
たぬ吉の資格塾に関するよくある質問
Q. テキストや問題集は不要ですか?
A. 必要です。公式サイトでは、この講座はテキストや問題集を解くための理解を手助けする教材と位置づけられています。おすすめの教材としてTAC出版の「みんなが欲しかった」シリーズ、「スッキリわかる」シリーズ、「パブロフ簿記」が挙げられています。
Q. 工業簿記の講義は有料ですか?
A. 無料です。日商簿記1級・2級の工業簿記と3級の講義動画はYouTubeで配信されています。有料講座は2級の商業簿記、1級の原価計算と商業簿記・会計学です。
Q. 動画の視聴期限はありますか?
A. 期限はなく、購入後は無期限で視聴できると案内されています。ただし利用規約では、配信が継続されている期間に視聴できるものと定められており、講座単位で配信が終了する可能性についても記載があります。
Q. 購入後に返金やキャンセルはできますか?
A. 特定商取引法に基づく表記と利用規約で、決済完了後の返金・キャンセルは原則として受けていないとされています。YouTubeの無料講義で相性を確かめてから申し込むのがおすすめです。
Q. 講座を使わずに独学でも合格できますか?
A. 市販テキストと過去問で合格を目指す方もいます。理解に時間がかかる論点だけ講義動画で補う方法もあります。独学の進め方は以下の記事も参考にしてください。



Q. 日商簿記の合格率はどのくらいですか?
A. 日本商工会議所の受験者データによると、1級の合格率は第161回(2022年6月)から第173回(2026年6月)まで10.1%〜21.2%で推移しています。2級は第173回の統一試験が15.1%、2025年度のネット試験が32.9%です。回によって差があるため、最新の数値は公式サイトで確認してください。


たぬ吉の資格塾はこんな方におすすめ
- 仕訳の丸暗記から抜け出し、「なぜそうなるか」を理解して簿記を学びたい方
- 市販テキストで勉強しているが、連結会計や税効果などでつまずいている2級受験者
- 原価計算や会計学など、苦手な科目だけを講義で補強したい1級受験者
- 短めの動画や音声学習で、スキマ時間を活用したい社会人
- 将来、税理士試験や公認会計士試験へのステップアップも考えている方
教材一式がそろったカリキュラムや教室での質問を重視する方は、総合型の講座もあわせて比較してみてください。1級の試験科目や受験資格との関係は、日本商工会議所の簿記1級のページで確認できます。
まとめ
- 公認会計士のたぬ吉さんが講義を担当し、「なぜそうなるか」の理解を重視した動画講座
- 2級は商業簿記講義(全23回)、1級は原価計算・商業簿記・会計学の3講座を有料で提供
- 料金は各講座33,000円(税込)、2級の個別LINEサポート付パックは82,500円(税込)
- 買い切りで視聴期限なし。工業簿記と3級はYouTubeで無料視聴できる
- テキストは別売りで、決済後の返金は原則不可。購入前に無料動画で相性を確かめると安心
市販テキストを軸に学びながら、つまずきやすい論点を公認会計士の論理的な解説で理解したい方にとって、たぬ吉の資格塾は検討する価値のある簿記講座です。講座内容と料金を公式サイトで確認し、自分に必要な講座から始めてみてください。

